【MaaSアプリ】ことことなび2020 体験レポート お得に比叡山観光!

MaaS

ことことなび2020編

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概要

ことことなびは比叡山・坂本や琵琶湖・大津市内の観光周遊に便利でお得なMaaSアプリです。

公式サイトはこちらからご覧ください。

※2020年度は終了しています。

ことことなびは滋賀県大津市、京阪ホールディングス株式会社と京阪バス株式会社、日本ユニシス株式会社が実施しているMaaS実証実験です。

この実証実験は、経済産業省・国土交通省による新しいモビリティサービスの社会実装を通じた移動課題の解決及び地域活性化に挑戦する地域や企業を応援するプロジェクト「スマートモビリティチャレンジ」の支援事業として選定されています。

第1回目は2019年11月1日〜12月1日に実施されました。この実験では観光MaaSアプリ「ことことなび」にて大津市内及び比叡山の観光地にスムーズにアクセスできる1日乗車券が販売されました。併せて観光案内やルート検索機能、乗車券エリアの観光施設で使えるクーポンも提供されました。アプリのダウンロード数は目標の2000件を超える2808件で、乗車券販売件数も目標1000件を超える1398枚を記録しました。実験結果の数値はこちらから見ることができます。(

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中でも個人的にはアプリダウンロード数と券購入数共に50代の方が一番多かったことに驚きました。スマートフォンを使った券購入などは年齢が上がるごとに避けられていくものかと思っていましたが、この結果を見て50代の方々にも受け入れられていることがわかり、MaaSの将来は明るいのではないかと思いました。

60代の利用者の方々もアプリダウンロードの後、券を購入した方が91.1%と全年代で1位の購入率を誇っています。

10代、20代、30代はまだまだSNSなどを通して広めていける可能性があると思うので将来的な期待が持てる実験結果だと思います。この第1回の実証実験の結果は2020年7月1日に公開されましたが、大成功だったと言えるのではないでしょうか。内容としては似た点が多いですが、改善も加えられた第2回は2020年10月16日〜12月6日に行われ、実際に私も体験してきました。(2019年度は体験していません。。。)

2019年度と2020年度の違い

2019年度は4種類だったチケット(乗車券や延暦寺巡拝券がセットになったパッケージ)は2020年度、5種類に増えました

比叡山に登るためのロープウェイや比叡山内のシャトルバスは2020年も継続され、JR湖西線からケーブルカーの乗り口を繋ぐ江若交通のバスが追加されました。これによりJRからの移動が格段に便利になっています。

また、比叡山頂付近にあるガーデンミュージアム比叡という庭園美術館は通常中学生以上1,200円ですが、一部チケットに新たに追加されており、チケット購入者は無料で入場することができます。

比叡山が一周できる一番の目玉パックである「ことこと比叡山周遊」チケットは3,000円から3,400円に値上げされましたが、先ほど述べた江若交通バス(片道230円)とガーデンミュージアム比叡(1,200円)が新たに追加されているのでよりお得になったと言えるでしょう。

2019年度の内容につきまして詳しくはこちらのページ内下部のプレスリリース資料をご覧ください。(https://www.atpress.ne.jp/news/195048

 

2020年度は新たに並行して京都で「奥京都MaaS」の実証実験が行われました。こちらの体験レポートはまた後日投稿したいと思います。2020年度は新型コロナウイルス感染予防対策が新たな重要な要素になりました。また、一部施設で混雑情報がアプリ上でわかるようになりました。スマホで購入したチケットは主にその画面を見せるだけで乗り物の乗り降りができるので、非接触であることはコロナ禍において大変良いことだと思います。

2019年度は観光客向けMaaSのみが行われましたが、住民向けMaaSとして「健康」をテーマとした健康推進アプリ「BIWA-TEKU」との連携等各種事業も行われました。

実際の体験内容

JR京都駅
↓JR湖西線利用
JR比叡山坂本駅
↓江若交通バス利用 日吉大社前下車 旧竹林院(クーポン適用 330円→260円)
日吉大社
↓徒歩
ケーブル坂本
↓坂本ケーブル利用
ケーブル延暦寺
↓比叡山内シャトルバス利用
延暦寺延暦寺バスセンター
↓比叡山内シャトルバス利用
峰道バス停 峰道レストラン
↓比叡山内シャトルバス利用
比叡山頂、ガーデンミュージアム比叡
↓叡山ロープウェイと叡山ケーブル利用
八瀬比叡山口駅
↓叡山電車利用
叡山電車出町柳駅
↓バス(サービス外)
JR京都駅

今回私が体験した内容は以上のような内容になっています。

まずJR京都駅から湖西線を利用して比叡山坂本駅まで向かいました。ここまではチケット内に含まれていないので別途料金を支払っています。(330円)

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比叡山坂本駅からケーブルカー乗り場のあるケーブル坂本駅までは歩いて約24分ほどかかります。しかし2020年度からことことなびに江若交通バスが追加されたため、約5分で乗り場まで行くことができます。私は道中の旧竹林院と日吉大社にも訪れたかったため途中下車しました。

旧竹林院はことことなびのチケット内に含まれていませんが、アプリ内のクーポンを使うと通常330円の入場券が260円に値引きしていただけます。この金額は団体利用者と同じ価格で、ことことなび利用者は数人で行動していてもアプリ利用者は大勢いるので団体割が適用されているのかな?と思いました。

旧竹林院ではきれいな庭園を建物内から見ることができ、実際庭園内を歩くこともできます。

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↑机を使ったリフレクション。穴場スポットです!

旧竹林院と日吉大社に行った後はケーブル坂本駅から坂本ケーブルを利用し、比叡山の上に上がっていきます。坂本ケーブルはケーブルカーでは日本一の長さを誇っています!一本しかない線路を上下のケーブルカーが入れ違うところは大迫力で、一種のアトラクションのように楽しめます。

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↑頂上まで登ると琵琶湖が一望できます。

上まで登って少し歩くとメインエリアである東塔につきます。チケットセンターでことことなびのアプリ画面を見せると入場券とパンフレットがいただけます。東塔エリアには本堂に当たる根本中堂があります。1200年間灯り続けている「不滅の法灯」は素晴らしかったです。

比叡山はこの東塔エリアに加え、西塔エリアと横川エリアがあります。これらは比叡山内シャトルバスでつながっているのですが、バスは30分に1本な上に最終バスが17時頃なため、自由な移動とは言い難いです。麓でゆっくりしていた自分も悪いのですが、最終バスのことを考えると時間が足らず西塔と横川にはいくことができませんでした。

西塔と横川バス停の間にある峰道にはレストランがあり、ここで昼食をいただきました。全面ガラス張りの展望レストランになっており、とても景色がいいです。

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↑比叡山名物「平和丼」11月といえど山頂は寒いのであんかけが暖かくて沁みます

16時ごろ、ほぼ最終のバスに乗って比叡山頂バス停に向かい、ガーデンミュージアム比叡に訪れました。通常1,200円の入園料もチケットに含まれているのでお得感があります。11月なのであまり華やかな花が居なかったのは残念でしたが、有名な絵画と共にその景色が再現されているのはとても特徴的で面白かったです。

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↑ガーデンミュージアム比叡からは琵琶湖が見れます。秋の風物詩ススキとともに

ガーデンミュージアム比叡は叡山ロープウェイの比叡山頂駅につながっているため、散策しながら帰り道に向かうことができます。帰りは叡山ロープウェイと叡山ケーブルの二種類を使いことになるため途中乗り換えが必要ですが、行きと同じ要領で帰ることができます。終点のケーブル八瀬駅は叡山電車の八瀬比叡山口の近くで、叡山電車を使うと京都市内の出町柳駅まで帰ってくることができます。

今回交通費や入場料など、本来なら5,470円かかるところを3,400円で体験することができました。通常より2,070円お得に比叡山を観光することができます。

良かった点、悪かった点・改善点

良かったところ

  • 乗り物を乗り降りする際、アプリの画面を見せるだけなので楽!

ケーブルカーに乗る時、バスに乗る時、施設を利用する時はチケット利用中のアプリ画面を係の方に見せるだけで乗り降りしたり入場することができます。今回どなたに見せても「ん?」みたいな顔はされず、気持ちよく通していただけて京阪さんはこの施策をよく全てのスタッフに周知させていてすごいなあと感動しました。MaaSというと次世代のサービスなのに、アナログに画面を見せるというのは少し面白くないと感じたのですが、係の方がスムーズな対応をしてくださるのでそんな不満もなくなります。

  • 家族分をまとめて購入することができる。

「大人2名、小人2名」のように1つのスマホに家族全員のチケットをまとめることができるため、管理がとっても楽です。子供が無くす心配もないし入場もスムーズに行うことができます。

 

悪かったところ・改善点

  • クーポンの取得の仕方が難しい。

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アプリ内では上の写真のようにクーポンの取得と利用方法が説明されています。一見するとやりやすそうですが実際使ってみると操作が多くて使用したい瞬間にあたふたします。ざっくりいうと「検索→取得→ホームに戻って一覧から選択→利用」といった流れなのですが、もっと直感的に使えないものでしょうか。ピンポイントで今自分の使いたいクーポンを出すのも難しいので、検索バーでヒットしなければジャンルから探してみたり、それでもなかったらエリアも試してみたり、、、となかなかクーポン利用までたどり着けません。

  • スタンプラリーのQRコードの場所が不明確

ことことなびではスタンプラリー企画も行われていました。全部で18ヶ所あるQRコードの中から5ヶ所スキャンし、応募すると抽選で10名に琵琶湖ホテル館内利用券5,000円分が当たるというものです。せっかくなので参加しましたが、QRコードがどこに設置されているのかとてもわかりづらかったです。スタンプポイントはケーブルカーの駅やシャトルバスのバス停に指定されているのですが、どう探しても見当たらない箇所もあり難しかったです。バス停のどこにあるのか、もっと詳しく書いていただけるとストレスフリーでした。もうひとつ言わせていただけるならQRコードのスキャンもなかなか面倒くさかったです。クーポン取得の流れとほぼ同じなのですが、スタンプラリーのためのQRを読み取りたいだけなのに準備のためにスタンプラリーチケット(?)のようなものを取得させられます。その後そのチケットを利用しQRコードを読み取ります。「あ、QRコードがある!」と思ってもチケット取得からやらないといけないので結構大変です。全然MaaSと関係ない話で申し訳ないですが改善していただけると地味に嬉しい点です。もっと技術が進歩するとGPSでスタンプポイントに近づくと自動的にスタンプを押したことになるのでしょうか。

  • ルート検索、現在地を押すとsafariに飛ばされる

ことことなびアプリのタブ右下にはルート検索ボタンと現在地ボタンがあるのですが、どちらを押してもsafariに飛ばされます。ルート検索に関してはNAVITIMEのホームページトップに行くだけなので、自分の利用している乗り換え案内系のアプリを利用した方が便利です。せっかくのMaaSアプリなのでアプリ内でルート検索とかしてみたかったです。比叡山内シャトルバスは30分に一本で比叡山観光の命綱なので、せめてバスの時刻表は表示していただきたかったです。

  • バスは30分に一本、自由な移動とは言い難い

比叡山内シャトルバスはほぼ30分に一本です。一本逃すと30分寒空の元待つことになります。比叡山にはドライブウェイがあり、自家用車やバイクの人は気持ちよく移動していきます。しかしことことなび利用者の比叡山での移動手段はシャトルバスなのでなかなか自由に移動はできず、バスの時間を意識して行動しないといけません。そこでシェアサイクルを各地においたり、小型EV車と充電スタンドを配備するのはどうでしょうか。山の上なので人通りも少なく、自然の中なので気持ちがいい体験ができると思います。高低差がしんどいかもしれないですが電動アシストしていただいて、、、

  • 山の中では電波が届きづらい

峰道バス停で降りる時など、スムーズにチケット画面を見せて下車したいところですが電波が悪いとなかなか開けません。こればっかりはどうしようもないかもしれませんが少しハラハラします。

まとめ

 

はじめてMaaSアプリを体験しましたが、通常より2,000円も安く比叡山観光ができてとても満足でした。MaaSの実証実験が開催されているから訪れる私のような人もいれば、値段のお得さ目当てに利用する人もいると思います。いずれにしてもMaaSの普及を応援する身としてはアプリを見せるだけで移動できる便利さを体験していただき、多くの人にMaaSに関心を持っていただきたいです。ただ驚くような目新しさや便利さがあまりなかったのも事実です。思いつきの提案でGPSを使った自動スタンプラリーやシェアサイクル、カーシェアなど色々書きましたが、アップデートの余地は大いにあると思うのでまた今年も実証実験が行われるならとても楽しみです。

 

2021年のことことなび

 

2021年に第3回目のことことなびが実施されるかどうかはまだアナウンスされていません。

しかし大津市、日本ユニシス株式会社、株式会社きゅうべえは2021年2月1日から3月31日まで「ことことなびサイクル」アプリを活用したシェアサイクルの実証実験を行う予定だそうです。1日乗り放題のデジタルチケット通常1,300円が500円で購入可能になります。さらに飲食店、観光施設で使えるクーポンなどが提供されコロナ禍に対応した市内観光を提案しています。コロナ禍で自転車ブームは世界的に起きており注目度は高いです。また後日こちらも体験した後レポートを投稿したいと思います

第1回目の記事はこちらになります。是非ご覧ください!https://withmaas.com/startmaasblog/

 

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